みんないつかは死ぬと分かっているのに、そのことを普段から自覚する人はいない。
いつかは死ぬ。しかし「いつ」死ぬかはわからない。
もし「いつ」死ぬのかわかっていれば、
人は大きく二つに分類されるのではないか。
一つは絶望する人。
もう一つは残された人生を大事に使おうと思う人。
「春になったら」というテレビドラマがある。
末期がんを抱える父親とその娘の二人が主人公の物語だ。
末期がんの父親は病床で死を迎えるのではなく、
緩和ケアを選択した。いろいろな治療をして病床で苦しんで死ぬより、
死ぬ直前まで元気で、家族と過ごしたいと考えるのだ。
そして「死ぬまでにやることリスト」を作る。
一つ一つやり遂げるたびに、リストを消していく。
残された人生を後悔しないように
時間を大切に
家族を大切に
自分を大切に
残された限りある時間を過ごしていく。
ドラマだから、毎回毎回が切なさを感じさせる。
ふと考えた。
「いつ」死ぬかわかっているから「死ぬまでにやることリスト」を作るのだ。
でも「いつ」死ぬかはわからないけれど、人は必ず「いつか」は死ぬ。
最終的に死ぬという事実だけは変わらないのだ。
ならば、
「いつ」死ぬかわからなくても
「死ぬまでにやることリスト」を作って、
それをやり遂げる人生を送るのはどうか、と思った。
死ぬまでに〇〇〇をすれば良かった、ときっと後悔するくらいなら、
そう思ったことを今すぐやったらいいではないか。
そうやって命を大事にする生き方をするからこそ、
「諸人の死は永遠の滅びならず世の旅終えて還る魂」
という、神さまの言葉を、素直に受け入れられるのではないか。